夏バテにぴったり!旨辛「ガンボ」を美味しく作る3つのポイント

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こんにちは。今回は「プリンセスと魔法のキス」でもおなじみの「ガンボ」についてのお話です。

この記事で分かる事
  • 夏バテでも食べやすい「ガンボ」の魅力
  • 「ガンボ」を美味しく作る3つのポイントとは!?
  • 実は世界中の料理の集大成?「ガンボ」のルーツを知る

夏と言えば「ガンボ」!?

暑い日々が続くと、怖いのが夏バテです。

エアコンの使いすぎに注意したり、生活リズムを整えることも夏バテ予防には大事ですが。

夏の暑さで失った栄養をしっかり補うことも重要です。


そして今回ご紹介する「ガンボ」は夏バテ対策にピッタリのメニューです。

「ガンボ」とは「ケイジャンスパイス」と呼ばれる、独特の香りと、辛さが食欲をそそるミックススパイスを使って、たくさんのお肉や魚介類。旬の夏野菜(7,8,9月前後)でもある、トマト、オクラ、セロリ、ピーマン等をたっぷり入れてトロトロになるまで煮込んだ「スープ」のような料理です。

ご飯にビシャビシャかけて食べるので、食欲不振のときでも流し込んで食べられます。

たくさんの栄養が詰まった「ガンボ」を食べて、夏を元気に乗り切りましょう。

「ガンボ」を最高に美味しく作る3つのポイント

「ガンボ」の作り方は実はとってもシンプルです。

「具材を細かく切って、炒めて、煮込んで、味付け」


たったそれだけなのですが、より美味しく作るためにはいくつかのポイントを知っておく必要があります。

今回は、そのポイントをしっかり押さえつつ調理していきましょう。

肉や魚介類はしっかり焦がす(できる限り旨味を出す!)

美味しい「ガンボ」を作りたいときは、全ての食材からできる限り旨味を引き出してあげるのが重要になってきます。

とくに、味の決め手にもなる肉や魚介類は、少し焦げ目がつくまでしっかり火を通してあげたほうが格段に美味しくなります。

「とにかく濃く作る!」が美味しい「ガンボ」への第一歩なのです。


決め手は「ウスターソース」&「タバスコ」!?

ディズニー映画「プリンセスと魔法のキス」で、主人公の「ティアナ」が「ガンボ」を作るシーンがありますが、そこでは仕上げに「タバスコ」を加えていますが「タバスコ」は「プリンセスと魔法のキス」の舞台でもあるルイジアナ州発祥の辛くて酸っぱい調味料です。

「ガンボ」の仕上げに「タバスコ」をチョチョーンと入れるだけで、程よい辛さと酸味がプラスされることにより味が引き締まります。

そして「ウスターソース」ですが、かっこよく「ウスターソース」なんて言ってみたかっただけで、実はお家にある「中濃ソース」とか、「とんかつソース」でOKです。

「ウスターソース」や他の「とんかつソース」等には野菜や果物に砂糖や塩。お酢を加えて作られているので「とにかく濃く作る!」が大事な「ガンボ」に野菜や果実の旨味をプラスしてくれるとともに、優しい甘さや塩分。酸味が加わることでワンランク上の「ガンボ」に仕上がります。

魚介類は煮込まない

「とにかく濃く作る!」がモットーの「ガンボ」ですが、一つだけ注意しなければいけないのが「魚介類は煮込まない」ということです。

もちろん魚介類も旨味を出すために焦げ目がつくまで焼くのですが、しっかり焼き色がついたらエビやイカ等は火からおろして「ガンボ」の仕上げの段階まで、そっとしておきます。

魚介類は一緒にコトコト煮込んでしまうと固くなってしまうのためです。

しっかり焼いて旨味が出たら、最後の最後までどこか別にしておくのがBESTです。

ただ。最後に入れ忘れのないよう気をつけて下さい。

以上が3つのポイントです。

もう一度おさらいとして載せると

「ガンボ」3つのポイント
  1. 肉や魚介類は少し焦げ目がつくまで焼く
  2. 仕上げに「ウスターソース」「タバスコ」で味を調える
  3. 魚介類は煮込まない

です!さて。それでは早速作ってみましょう。

「ガンボ」の材料

鶏むね肉    ・・・300g

マヨネーズ(鶏肉下味)   ・・・小さじ2杯

(鶏肉下味)      ・・・ひとつまみ

セロリ     ・・・200g前後(一本)

パプリカ    ・・・130g前後(種とヘタ取る前の重さ)

ピーマン    ・・・130g前後(3、4個)

オクラ      ・・・100g前後(小さめのもの2袋くらい)

玉ねぎ      ・・・230g前後(剥いてない状態で)

ニンニク     ・・・2片

ウインナー    ・・・100g前後(一袋)

カットトマト缶  ・・・200g

ウスターソース  ・・・小さじ2杯

タバスコ    ・・・10振り程度(味を見ながら好みで)

ケイジャンミックス ・・・小さじ3杯(好みで増減)

海老(今回は赤エビ)    ・・・6匹くらい(好みでいっぱい入れてもOK)

白ワイン(または酒)   ・・・大さじ2

サラダ油   ・・・大さじ3

     ・・・適量

胡椒    ・・・適量

チキンコンソメ ・・・2個(水600ml分)

      ・・・合計800ml

そのほかに、冷蔵庫の余り物なんか入れてもOKです。

「ケイジャンスパイス」はスーパーに置いてあります。カルディや成城石井など、海外の食品を多数販売しているお店でも手に入ります。

名称は「チリパウダー」だったり「ケイジャンミックス」だったり様々ですが。

チリペッパー(唐辛子)。オレガノ。タイム。クミン。パプリカが入っていれば十分です。

家に各種スパイスを取り揃えているのであれば、自分で調合してもOKです。

ちなみに海老は殻付きのもの、欲を言えば頭がついてるもの旨味が出てより美味しいです。

ウインナーは贅沢ですが、燻製タイプがあれば独特の香りが「ガンボ」の美味しさを引き立ててくれます。

「ガンボ」の作り方

野菜を切る

ニンニクはみじん切り。

その他の野菜は小さいサイコロ型くらいの大きさに刻んでおきます。

オクラは輪切り(小口切り)にすればOKです。

鶏肉の仕込み

鶏肉は、フォークや肉の筋切りをする道具等でブスブスしておきます。

繊維を断つことによって食感が良くなります。

ブスブスし終わったら、少し小さめの一口大に切って、マヨネーズと塩と混ぜ合わせてしばらく常温で置いておきます。

こうする事で、火を通したとき固くなるのを防ぎます。

海老の仕込み

海老は有頭の場合は、軽く水で流したら、殻を剥きます。

結構トゲトゲがついていて危ないので、ゴシゴシしないように気をつけましょう。

頭と胴体を切り離して、殻や尻尾を取り除いていきます。

殻や尻尾は後で出汁を取るにで、手頃な容器に入れておきましょう。

頭の部分は縦に半分に割ったら、砂袋と呼ばれるジャリっとした赤黒い部分を取り除きます。

指の先にある赤黒い部分を手で取り除きます。

取り除いたら、殻と一緒に容器に入れておきます。

海老の身の部分は、背中を軽く切って背ワタを取り除きます。

ちょっと切れ目を入れるだけで、背わたが見えてきます。

背わたが取れたら、塩水で少し臭み抜きをしておきます。

アサリの砂抜きと同じように3%前後の食塩水に浸しておけば臭みも取れて、プリッと仕上がります。

具材を炒める

仕込みが終わったら、材料を炒めていきます。

同時進行が可能であれば、野菜を鍋で炒めながら別のフライパンで、肉や魚介類を焼くとスムーズです。

もし同時進行が難しいのであれば、先に鶏肉とエビを焼くところから始めます。

鶏肉を焼く

薄くサラダ油を引いた(分量外)フライパンに鶏肉を重ならないように入れてから蓋をして焼いていきます。(中弱火)

片面3分焼いて、焦げ目がついていればOKです。

ひっくり返して蓋をして2分間焼きます。

焼き色がついてない場合は少し火を強くして色がついたらひっくり返します。

だいたい両面に焦げ目がついたら別の容器に移しておきます。

同時進行して野菜を炒めている場合は鍋に一緒に入れちゃって大丈夫です。

エビを焼く

次にエビを焼きます。

薄く油を引いた(分量外)フライパンでエビを焼いていきます。(中強火)

一気に火を通した方が固くなりにくいので、強めの火力で焼いていきます。

両面焼き色がついたら火からあげて、別容器に取っておきます。

エビを焼き終わったら、殻を焼いていきます。

フライパンは洗わないでいいので、エビを焼き終わったらそのまま殻を焼いていきます。(中強火)

香ばしい香りがしてきたら、白ワイン(またはお酒)を大さじ2杯加えてから蓋をして蒸し焼きにします。

水分が飛んで、フライパンが少し焦げ付いてきたら、火を弱火に落として、水1カップ(200ml)を加えてフライパンにこびりついた旨味をヘラでこすりながら溶かしていきます。

さらに、エビの殻もヘラで押しつぶすようにしながら、殻の中に詰まった旨味を絞り出します。

ヘラでガツガツ殻を潰すようにして旨味を絞り出します。

同時進行で野菜を炒めている場合は、殻が鍋に入らないようにキッチンペーパー等でしながら加えていきます。

殻が入らないように焦らず慎重に!

同時進行が難しい場合は、ボウルなどに汁を濾しておきましょう。

鍋に水を入れるタイミングで、一緒にエビの汁も加えましょう。

野菜とウインナーを炒める

多めのサラダ油(大さじ3)を引いた鍋で野菜を炒めていきます。

まずはにんにくを入れて、軽く香りがしてきたら玉ねぎを加えます。(中火)

玉ねぎの表面が軽く薄茶色になるくらいまで炒めたらウインナーを加えて、少し焦げ目がつくくらいまで火を通します。

ウインナーに焦げ目がついたらセロリを入れてしっかり熱くなるまで炒めます。

セロリが透明になってきたら、パプリカとピーマンを加えて良く混ぜながら炒めていきます。

具材は一度に入れず、じっくりしっかり加熱してあげた方が旨味や甘味が出てきます。

なので面倒臭くても、少しづつ炒めていきましょう。

しっかり野菜が熱くなったら、鶏肉とケイジャンミックスを小さじ1杯だけ加えて炒めます。

煮込む

しっかりスパイスと具材が混ざったら、水600mlとエビの汁。そしてコンソメを入れます。

このとき具材がひたひたになるくらいまで水が入っていれば大丈夫ですが、足りない場合は水を足して下さい。

沸騰するまでは火を強くして、沸いたらカットトマトとオクラを加えて良く混ぜたら弱火で15分煮込みます。

アクが浮いてきたらすくいます。

仕上げ

15分煮込んだ「ガンボ」

しっかり煮込む事で、野菜からは甘さが。

肉からは旨みが出ます。

最後に海老を鍋に投入し、残りのケイジャンミックスとウスターソース。そしてタバスコ、塩、胡椒を加えて、味見をします。

ご飯にかけて食べるので、ある程度塩分は濃い方が美味しいです。

スパイシーさが欲しい方は、ケイジャンミックスを足してもいいですし、辛さのみ欲しい方はお好みで一味唐辛子を加えても美味しいです。

タバスコは食べている最中にかけて食べても、いいアクセントになって美味しいです。

ご飯がビシャビシャになるくらいかけた方が美味しい!

「ガンボ」は世界中の料理の集大成?

「ガンボ」はアメリカ南部ルイジアナ州発祥の料理ですが、その原型はフランスの「ブイヤベース」ともいわれています。

さらにアフリカから渡ってきたオクラ。トマト、ピーマン、玉ねぎなどはスペインの入植者たちからもたらされました。

それらに、地元の魚介類などを加えて完成されたのが「ガンボ」なのです。

長い時間をかけて人とともに歩んできた様々な食材と調理法が新しい一つの料理を生み出す。

「ガンボ」は人類が歩いてきた果てしない旅の集大成なのかもしれません。